令和3年 2月朔日 月次祭 宮司講話より

本日は月次祭にご参列をいただきまして誠にありがとうございました。2月は旧暦で「きさらぎ」と申します。「きさらぎ」といいますのは「更に 着る月」着更月が語源と考えられます。寒い月ですからさらに重ね着をするということでございましょう。しかし一般には、「如し」と「月」という漢字でも表されます。

「如」という字がなぜこの月にあてがわれたのか、長いこと疑問に思っておりました。

しかし、解説をしたものもみつけられず、自分なりに考えるのですが、

「如」という字は、「女」偏に「口」と書きます。実はこの「女」は巫女のことです。今は巫女さんと言えば、白衣に緋袴をはいた神社の職員だと思われる方が多いと思います。しかし本来は「御子(みこ)」であり、神にご奉仕をして神のご神意を伝える存在でした。

またこの「口」は、神様へのお願い事をする祝詞を納める祝詞箱を表しています。二月は祈年祭(きねんさい・としごいのまつり)という五穀豊穣を祈る重要な祭の月です。それゆえこの月に如という文字があてられたのではないか?

と思うのですが。

さて、神社では日々の祭りの中で、今流行の新型コロナウイルス感染症の終息の祈願を加えております。明日の節分祭は追儺(ついな)といいまして立春の前の鬼やらいの儀式が行われます。その鬼とは疫病のことです。私どもはその願いが叶えられますよう、身を慎んで身を清めてご奉仕をするわけですが、罹患するかどうかはこれも運でございます。そうしたことにつきましても神様がお守りくださいますよう祈っております。今日お集まりの皆様方にも運が添うように、そしてご健勝をお祈り申し上げまして月次祭のご挨拶に代えさせていただきます。