令和3年 3月朔日 月次祭 宮司講話より

本日は3月朔日の月次祭にご参列をいただきまして誠にありがとうございました。3月は旧暦で弥生と申します。弥生とは、「弥(いよよ)生(お)うる」という意味でございます。いよいよ生まれるということは草木が芽吹き成長するだけではなく、物事が大きく展開してゆくという時期でもあるということです。

英語では3月のことを“March(マーチ)”と申します。英語の元となりましたラテン語を用いた古代ローマでは、3月のことを「Martius(マルティウス)」と言っておりました。春になりますと古代国家は国の領土を拡大するために軍をすすめてゆきます。この「マルティウス」という月の名前は古代の軍神のマルスに由来する月の名でもありました。軍を進める。それゆえこの月は古代ローマにおいては一年の始まりの月としておりました。ですから2月は古代ローマでは一番最後の月でした。この月に一年の日数の調整を行ったので、2月の日数短くなったのだそうです。さて、3月の声をききますと、春だな、という気持ちになります。

この一年間は気持ちにおいては季節でいえばずっと冬でございましたが、少し先が見えるようになりようやく春らしい気持ちになってきたのかなと思います。

いよいよ生うるというこの月にあやかって皆様も様々な新しい生き方の模索をはじめるかと思いますが、どうぞご健勝でお過ごしになられますよう、また八幡様のご加護をいただきましてさまざまな禍が払われますようご祈念申し上げまして月次祭のご挨拶とさせていただきます。