令和3年 7月朔日 月次祭 宮司講話より

本日はお足元の悪い中またご多用のところ月次祭にご参列をいただきましてありがとうございました。7月は旧暦で文月と申します。七月は七夕の月ですが、昔から中国では奇数を陽の数字として尊ぶ習慣がございました。七月七日の七夕の日は陽の重なるおめでたい節句の日でございます。その日に禊やお祓いをする習わしがございました。

「七夕」という字をどうして「たなばた」と読むのか不思議ではありますが、この日我が国では棚機姫神(たなばたつひめ)をお祀りします。この神様はお仕えする神様に衣を織ってお供えするという重要なお役目があります。また、中国では七夕の夜には牽牛と織女という二人が一年に一度逢瀬を楽しむと言われています。この話が合わさって七夕祭となりました。

七夕には笹竹に和歌や願い文をかける習わしがあることから文月といわれています。

今日はほとんど手紙を書くことがなく、メールやラインで終わってしまうということが多いですが、手紙を書くと人間性を豊かにすると私は考えます。若いころはラブレターをずいぶん書きましたが、ラブレターでは、少しでも自分をよくみせようとします。気の利いた文章を書こうとしたり、文字もきれいにしようという努力をします。そのためには勉強にも励みます。文字も上手になろうとします。パソコンで打った文字ではなく、手書きの文字の筆跡には人柄が沁みたとえ字が上手でなくても人を引き付ける力はあります。そして文章には感情が行間にも見えてくるのです。

この文月に因んであえてアナログな文を届けてみるのはいかがでしょうか。書けばきっと喜ばれます。私は普段からメールではなくできるだけ手紙をかくようにしています。面倒くさいと思うこともありますが、文章を何度も下書きして時間をかけます。効率は悪いですが思いが伝わるものだと思います。

さて、コロナの患者数もまた増えてきましたがここで心をひきしめて、暑くなる季節になりますが、ご加護を頂き、是非乗り切っていただきたいものです。その先にはコロナも収まった世界があるでしょう。皆様のご健勝をお祈りいたしまして今月の月次祭のご挨拶とさせていただきます。