令和3年 8月朔日 月次祭 宮司講話より

本日はお暑い中八月一日の月次祭にご参列をいただきましてありがとうございました。

八月は旧暦で葉月と申します。

八月には八朔という大事な行事がございます。

旧暦ですとちょうど一か月後あたりですので、その頃を思い浮かべて頂けましたらおわかりになるかと思いますが、昔は早稲が受粉をする大事な時期ですので、稲が風水害にあわないようにお祭をするのです。それを八朔の節供と申します。節供というのは神様にお食事をお供えするという意味で、とても大事です。

さて今東京オリンピックが開催され、日本人が大活躍をしております。新型コロナウイルス感染症に関わる様々な不幸で鬱々としておりました気持ちを晴らしてくれるように思います。まだ半分の日数が残っているわけですが、更なる活躍を願いたいものです。このオリンピックという大会はご存じの通り古代ギリシア発祥のスポーツの祭典です。7月23日まで行われました聖火リレーの火は、古代オリンピック発祥の地であるギリシアにおいて、太陽の光を凹面鏡にて集めて採取した神聖なる火です。さて「ヒ」という言葉は先人は目に見えない魂を表す言葉として使いました。火という言葉は日=ヒと同様、霊魂を表す大切な言葉であることも心にとどめておいていただけたらと思います。

霊魂を身体の中にとどめているから、人(霊留=ヒト)であり、男を「ヒコ」、女を「ヒメ」と申しまして、人もまた大事なものを留めている存在であるということを日本語では表しております。

 先ほども申しましたように、太陽からいただきました大切な火(=ヒ)がリレーされてやってくる。人種も国も越えて

聖なる火がめぐって、その火のもとで競技を行うのがオリンピックなのです。本。宗教が神以前の、「サムシンググレート」=神なるものの代表としての日=火に公正を誓い競技をお見せするものなのです。

しかし現在は、商業化に加え人種的な、あるいは宗教、政治的なものをアピールしようとする面がみられるのは残念なことです。

今新型コロナウイルス感染症の感染拡大が心配されておりますが、そのことでオリンピックの形が変わりました。オリンピックの元来の精神に立ち返る時との神の啓示ではないかと思います。

皆様も疫病、禍神の障りなく幸運に守られましてご健勝にすごされますようお祈り申し上げまして月次祭のご挨拶とさせていただきます。

本日はようこそご参列くださいました。