
霜月朔日の月次祭にご参列をいただきまして誠にありがとうございます。今一番の心配事でございます、新型コロナウイルス感染症もようやく終息に向かいつつあるようでございます。このことについては全国津々浦々の神社で終息の祈願を行っていることにもよるかと思いますし、日本人の品性、お行儀のよさがこの成果に現れてきているのではないかと思われます。行政のパンデミックに対する混乱がありましたが、国民一人ひとりが心をあわせてどうずればよいかを考えて行動したこと、また一途な祈りに応えた大神様のご加護が加わったことがこの成果としてあらわれたのだと思います。
さて、旧暦の11月には霜が降りているころで、霜月と言われるのですが、この月は国民の祝日が2日ございます。11月3日は文化の日、そして23日は勤労感謝の日です。しかし、この言い表し方ですと、もともとこの日が何の祝日なのかがわかりにくいのです。戦前は、11月3日は明治節と言われておりました。この日は明治天皇のお誕生日でございます。近代国家の礎は明治の時代からおこりますがその原動力の中核となったのは明治天皇でございました。世界の国々と対等に付き合うのに将軍ではうまくいきません。征夷大将軍は天皇に任命される存在だからです。国家元首たる天皇でなければなりません。その明治天皇の御功績を振り返り、誕生日をお祝いする日であったのですが、それが文化の日という名称に変えられてしまいました。23日は勤労感謝の日となっておりますが。その日には新嘗祭という御祭がございます。天皇陛下自らが皇祖天照皇大神に新穀を始めお食事をお供えいたします。神宮に向かって陛下自らお食事をささげ、それをお召し上がりになるという御祭です。もっとも尊い儀式でありますが、このことが日本人の国民性を培ってきたと言っていいのです。米作りには集団での労力が必要です。何よりも和の力をもってそれを成し遂げてきました。パンデミックにあたっても和の心が作用したのではないかと思われます。嘗めるということは、神様に捧げものをし、それを食し神様を身体に宿すということです。我々もお祭りののち、直会をいたします。神様にお上げしたお神酒をおさげしていただき神人合一となるという儀式です。コロナのためにそれは中止しておりますが、落ち着きましたらまた神前のお神酒を皆様に召し上がっていただけることができると思っております。
今改めて、八百万の神々に守られた国なのだということを心に留め置きたいと思います。コロナ禍は、明るい兆しもみえてまいりました。衆議院選挙もさほど大きな変化もなく、安定した政り事が行われることでしょう。今後の政治にも期待をしつつ 最後に皆様のご健勝と弥栄をお祈りさせていただきましてごあいさつとさせていただきます。