令和4年 二月朔日 月次祭 宮司講話より

令和4年 二月朔日 月次祭宮司講話より

本日は二月朔日の月次祭にご参列をいただきましてありがとうございます。

明後日2月3日は節分祭を執り行います。ほとんどの神社は豆撒きを中止しております中、当社では魔を祓う、病気を祓うという強い意をこめましてコロナ対策をとり豆撒きを行います。

 旧暦の2月をキサラギというのは、寒いのでさらに着物を着こむ「更に着こむ」からこの呼び名になったようです。

一方中国では2月のことを如月と書いて「にょげつ」と発音します。

では「如月(にょげつ)」とはどういう意味なのかを考えてみました時、「如」は「ごとし」と読みますが、漢字のつくりをみましたときに「女偏」に「口」の組み合わせです。この「女」という字で表しているのは、神意を聞く女、つまり女性の神官、神職であるわけです。巫女さんといいますか、神と交信できる女性神職を「女」という偏で表しています。そして「口」の方は、神職は祝詞をあげますが、祝詞をしまう祝詞箱のことを表しているのです。2月は、ご神意をお尋ねしてそれにいつわりがなくその通りなので「如し」ということなのです。

私どもが春に望むのは今年が豊作でありますように、食べ物に困らないようと祈ります。今月には祈年祭(としごいのまつり)がございます。「年」を祈る祭、と書きますが、「年」というのは、稲の豊作を祈る意味なのです。

おそらく神祭りとして重要な月なので「如」をいう字が当てはめられているのだろうと思うのです。

神祭で重要な月としては「神無月」もございます。旧暦の10月を神無月と申しますが、この月には伊勢の神宮では神嘗祭という一番重要なお祀りが行われます。米は大陸の方から伝来したのか、それとも南方からなのかわかりませんが、米についてのお祭りが重要なのだと思います。私達日本人は天照大神により稲を授けられました。生きる糧、命根(イノチネ)としてそれ故に、米の祭がとても重要なのだろうと思います。

今月は3日に節分祭、11日は紀元祭、17日は祈年祭が、そして23日は天長祭が斎行されます。次々と重要なお祀りが重なる重要な月なのですネ。

私どもは日々の祭でコロナ禍を神の御力をもって鎮静化していただきたいことも併せて祈っておりますが、皆様におかれましてもご健康にご留意いただきお過ごしいただきたいと思います。

本日もご参列をいただきまして誠にありがとうございました。