
本日は三月朔日の月次祭にご参列いただきましてありがとうございます。日差しが春を感じるようになりますと旧暦の「やよい」と我々の先祖が名付けましたまさにその季節を感じるようになります。旧暦でありますから実際には一か月先になりますが、いよいよ生命の力を感じるようになってくるころなのであります。
明後日は三月三日、桃の節句でございます。これはお祓いの節句でもあるのです。中国では奇数を陽、偶数を陰としておりました。その思想がわが国にも入って来まして、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日は陽の数が重なる特にめでたい節日の日として尊んできました。
節句は節供で神々への供え物をするということです。そうしたおめでたい時には必ずお祓いをする、という思想も中国から入ってきました。
3月3日は桃の節句というと先ほど申しましたが、中国では桃は厄除けに非常に強い力をもつと古来より言われ、ご神気が強いので節分の時も桃の木で作った弓でお祓いをしたりするのです。
我々は常に祓い清めて生まれ変わる、お祓い民族であると常々思うのですがそれは、よりよく生きるためにそうしてきたのだと思うのです。
日本では古より一年を二回にわけその節目にお祓いをしていたのです。それが大祓です。とにかくお祓いをして蘇る、生命力を甦らせるということを続けてまいりました。
司馬遼太郎は神道をつきつめてゆくとそこに残るのは「清らかさ」といっています。心身を清らかに保つというのが我々の先祖から伝わってきた生き方なのです。
我々はまだコロナという禍の中にいます。それを祓い清めていかなければならない。日常の中でも祓い清めて清潔にしているがためにコロナ禍も他の国にくらべますと、収まっているのではないかと思うのです。皆様も身も心も清らかに保ち大神さまの見えない力をいただきましてよりよく生きてゆかれますよう願っております。