
本日は5月朔日の月次祭にご参列をいただきましてありがとうございます。旧暦の5月を「皐月(さつき)」と申します。「さつき」とは早苗を植える月との意味がございます。さつきの「さ」や桜の「さ」は稲の古語でございます。桜は稲の古語を表す「さ」と、神様がいらっしゃる場所であり、大切なものをしまう場所である「くら」の二語からできたことばです。桜の花が咲くころに日本人の命の根としております「いのちね=いね」を植え始めるサイクルが始まります。「一年」と言う言葉、「年・とし」と言うのも稲を表す言葉です。
天孫降臨の時、国民の食糧として稲が授けられました。
先月29日は「昭和祭」を行いました。昭和天皇の偉大なる御功績、国民への慈しみ、国を守ったその御心に感謝を申し上げました。
我が国の祝日に天皇に関わるものが4つございます。2月には「紀元祭(神武天皇即位)」と天皇のご長寿を祝う「天長祭(天皇誕生日)」、そして「昭和祭」、11月3日の「文化の日」です。「文化の日」は「明治天皇誕生日」で、近代日本を作り上げた明治天皇様の誕生をお祝いする大切な日だったのですが、戦後「文化の日」になりました。正しくは「明治の日」であり、そうすべきです。
今この「文化の日」を「明治の日」にしましょうという運動が国会内でも高まっています。 「昭和の日」も初めは「みどりの日」でしたから「明治の日」に替わってほしいですネ。
我々は天皇の国に住んでいます。天皇を頂くことが日本人のアイデンティティであり、世界に誇るものだと思います。こうしたことを見直すことが必要です。
神社の杜のことを「常若の森」と言います。常に蘇る、常に若々しくあるという精神が神道の精神にあるのですが、皆さまもこの鳥居を潜って、この萌黄色の木々の葉をわたる風に芳しき香りを感じたと思います。緑の気に充ち満ちた空間になっています。昨今「酸素ステーション」と言うのがありますが、神社の境内は常に酸素ステーションだと思います。
元気のない方は神社に来て元気になり、元気な方はさらに元気になる場所、それが神社です。
先人達がこうした形を作り上げました。生き生きとした暮らしの中心に神社があると思います。世界中が重苦しい空気の中にあり、多くの人の命が冷たい海の中に喪われる事故もありました。私達の心も重苦しいですが、3年ぶりになんの制約もないゴールデンウィークを迎えます。今日はこうして神社でご神気を頂き、気持ちよくこの月を過ごして頂きたいと思います。
皆様のご健康を祈念してご挨拶に代えさせて頂きます。