令和4年 7月朔日 月次祭 宮司講話より

本日は7月朔日の月次祭にご参列をいただきまして誠にありがとうございました。この月は民間信仰としての年中行事である七夕がございます。またご当地でのお盆・みたま祭がございます。七夕という行事はいう間でもなく星神に願いを届けるという行事として定着しており、牽牛、織女が一年に一度天の川をはさんで逢瀬を楽しむという中国伝来の説話で知られていますが、一方で日本のみたま祭や神に織物を捧げる機織の女神への信仰ともつながります。一般的には笹竹に願い事を書いた短冊をつるすということがよく知られております。

7月は旧暦で文月と申しますが、この「文(ふみ)」というのは神々に願い文を書くということからきています。さらに乞巧奠という針仕事の上達を願う古代中国の風俗行事が加わります。6月は水無月=水の月と申しますが水無月は田んぼに十分に水が行き渡り7月になれば田仕事も一服です。農作業に少し暇ができます。そうした時には先祖の神々をまつるってきました。後に仏教が入りますとこの時期に施餓鬼という行事が行われ、餓鬼道に落ちた御霊を救うという仏教行事ウラボン・盆と重なります。そのためみたま祭は仏教の行事かと思われますが、もともとは農閑期の先祖祭がベースにあるわけです。

今は本来であればまだ梅雨の時期ですが今年は一気に猛暑になりました。コロナは少し落ち着いたようですが猛暑のためまだ外には出ないようにという御触れが出ているようです。暑さに体がついてゆきません。

昨日6月30日は夏越の大祓式がございました。大祓式というのはお祓いの儀式です。今日私どもが白い装束を着ておりますのも年の後半期を迎えての祓の儀式という意味でございます。

本日は皆さまおひとりお一人に玉串を捧げていただきましたが、「玉」というのは「串」の尊称です。串というのは神様に物を捧げるのに、直接捧げるのは恐れ多いことだとのことから、串にはさみ捧げたことからきております。

現在一般的には玉串は榊を使っております。さかきというのは木偏に神と書きます。この榊の意味には栄える木という意味です。お一人おひとりに玉串を捧げていただき、お栄えあらんことを祈ります。

どうか夏から冬のこの半年間もご無事でお過ごしいただきますようお祈り申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。