令和4年 8月朔日 月次祭 宮司講話より

皆様には炎天下の中、月次祭にご参列をいただきましてありがとうございます。急に熱くなりこれから猛暑日続きでコロナの感染もおさまらず不安の中にありますが、十分に対策をとってこの時を乗り切っていただきたいと存じます。

八幡神は伊勢の天照大御神とならぶ神様といわれます。特徴的なことは神仏習合の神であることです。仏教は朝鮮から伝わってきたわけですが仏像は外国(とつくに)の目に見える神として受け入れられました。我が国は古来多くの災害や疫病に悩まされてきたので、先進国のより強い神を求めたということでした。金メッキをされたキラキラした仏像を観たときに、見たことない異国の神をみた人々は日本人の神と違う威力を感じました。聖武天皇が天然痘で多くの人が命を落とし、それをなんとかおさめたい、亡くなった方の御霊を慰めたいという思いで、廬舎那仏をつくることを発願されたとき、宇佐の八幡神が八百万の神々を率いて大仏の建立に力を尽くそうと託宣されたことで無事国の大事業がなされ八幡大菩薩の称号が贈られました。

私たちはコロナ3年目となっても後手後手のありさまで、つぎつぎと新しいウイルスの形が出て苦しめられています。

日本人の信仰は、祖先崇拝と自然崇拝が基となっていますが、先祖を20代さかのぼれば100万人になると言われます。人類の歴史の長さを考えると途方もない人の命を引き継いでいるということです。それが日本人の伝え続けてきた信仰なのです。自然の恵みも神業と感謝しますが、時には脅威にもなります。その時には災いからの救いを求め切実な祈りが捧げられます。

どうぞこの苦しい時を八幡様のご神威を頂いて乗り越えて頂きたいと思います。日々祖先の教えに従い自然のめぐみを頂きながらの生き方を歩んでいただきたいと思います。

また今月は月遅れのお盆ですのであらためて先祖を振り返ることも忘れずに。今年は帰省される方も多いと思いますがお気をつけてお過ごしください。

皆様のご健勝をお祈り申し上げまして、月次祭のご挨拶を申し上げます。