令和5年 2月朔日 月次祭 宮司講話より

本日は、今年初めての朔日詣ででございます。 お寒い中ご参列を頂きましてありがとうございます。 先ほど太鼓のような音が致しましたが、このお社は他に例のない耐震補強工事がされておりまして、寒暖の差がありますとステンレスの壁が鳴ることがあるのです。この工事は東電の名を冠した会社であったため、東日本大震災後東電への逆風が吹きましてこの会社は存続できなくなってしまいました。そのためこの工法で施工したのは当社のみとなっております。 ところで、2月という月には神社では大切な御祭りが沢山ございます。 まず祈年祭がございます。これは「としごいのまつり」と読みます。年というのは稲をあらわす言葉で、稲の豊作を祈り踊っている姿を表した文字です。年を乞う、つまり稲の豊作を祈る祭です。寒い時期ですが、旧暦2月は今の3月でそろそろ田作りの準備が始まる頃です。ウクライナの戦争で、食糧危機がまた、燃料の高騰もあり、最近は本当に食品の値上げが留まるところを知りません。日本人は米を主食で生きてきました。いのちの根っこである「いね」の豊作を祈る大切な祭りが宮中、全国の神社でも行われます。その他に節分祭・紀元祭・天長祭・初午祭など大切な祭りがある月であるということをお心にとどめておいていただけますと幸いでございます。 話は変わりますが当社は「うさぎ神社」といわれています。わたしは知りませんでしたが年末年始にメディアの取材が沢山きまして、全国でテレビや新聞やYou Tubeで放送されまして一躍有名になりました。今の時代は氏神という観念は薄らぎ、有名な神社にお参りにゆくという傾向があるため当社にも遠くからお参りに来られます。 うさぎがなぜこんなに人気なのかといえば、がまずかわいいということ、すぐれた身体能力があるということ、つまり繁殖力が強く、スピードが速くはねる力も大きい、更に大きな耳は遠くの音を捉える優れた力も備えています。我々の信仰の中に「あやかる」ということがあるかと思います。多産、繁栄、発展など様々なうさぎのよい一面にあやかりたいということなのかもしれません。 皆様におかれましても今年の益々のご発展とご健勝をお祈りいたしましてごあいさつに代えさせていただきます。