令和5年 7月朔日 月次祭 宮司講話より

 本日は7月朔月の月次祭にご参列ありがとうございました。皆様方は茅の輪をくぐってこられたと思います。昨日の夕方に、年に2回の大祓式の一つ、夏越の大祓を行いました。半年間の罪穢れを祓い、心にある重い荷物を下ろす、そういう儀式であります。4年ぶりですかね、コロナ前に戻り今回、浄めそばという当社の恒例のそばのふるまい、また神楽殿では音楽の演奏がございました。雨の中でしたけども60名ほどご参列されお祓いをうけ、心地よくお帰りになられたと思います。

大祓の祓という漢字を頭の中に浮かべてみてください。祓の「示」というのは神様にお供えをする机のことの象形文字です。ですから「示」が付く漢字というのは必ず神様と関わりのある漢字なのです。祓のつくりの方、実はこれは「犬」という漢字が入っています。私たちは人様に物を依頼するときに、手ぶらでは行きませんよね、神様に対しても同じです。お祓いをするときに祓の神様、祓戸大神と申しますけども、その神様になにか自分の罪や穢れをお祓いする際に捧げ物をしなければならない、罪を贖ってもらう贖物(あがもの)と言いますけど、それを捧げ、自分の罪穢れを祓い流してもらうのです。

それではなぜ犬なのか。漢字はご承知のように中国で生まれた文字であります。中国ではお祓いのときに贖物と言いますか犬を生贄として神様に捧げたようです。中国では一番上等な肉は羊であり、大きなお祭りには羊とか高級なものを、お祓いの時には犬の肉を捧げたのでしょうね。

昨日お祓いの儀式、大祓式には贖物として麻と布を捧げました。麻織物や絹織物を幣帛として捧げる風習が日本ではあるため麻と布(木綿・本来は絹)で贖物として捧げました。

 

 いよいよ一年の後半に入ってまいります。多湿高温の不快な天候の中で体調を壊しやすい時期でありますけども、どうか大神様のご加護をいただきまして、皆様方にはご健勝でこの夏を乗り越えていただきたいと思います。皆様方の弥栄をお祈り申し上げます。本日はありがとうございました。